一般家庭におけるCO2排出量

序文

地球温暖化は2種類の方法で進行します。1つは、一般に良く知られる二酸化炭素(CO2)の排出により、大気中のCO2濃度が増加することで起こるとされています。そしてもう1つは温室効果ガスと呼ばれるフッ素ガスによって地球が温められてしまいます。

IPCC第5次評価報告書によれば、私たちのCO2排出量(約338億トン/年)は、自然界の年間吸収できるCO2の総量(約180億トン/年)を大きく上回っており、その量は約倍です。つまり、年間約160億トンのCO2が地球に蓄積されて付けているという計算になります。

私たちの生活はどれくらいのCO2を排出しているのか?

実は家庭で排出されるCO2はとても少なく、社会全体のCO2排出量のおよそ、15%程度に過ぎません。15%程度であれば、地球のCO2吸収量を十分下回るレベルですが、安心してはいけません。全体のおよそ70%のCO2は産業や運輸、そしてビルなどのオフィスから発生しているからです。家庭でのCO2排出量が少ないとしても、私たちがネットショッピングで購入したコンピューターを作るのに排出されるCO2、そしてそれを家まで輸送するトラックから排出されるCO2、そしてそのネットモールを運営する会社のエアコンから、エネルギー消費まで、1つの商品購入や消費活動に対して多くの産業レベルでのCO2排出があるのです。

家庭におけるCO2排出の例

家庭では、まず部屋を温めたり冷やしたりするエアコン電力、仕事や勉強をするための電気、スマートフォンやその他電気機器の充電、そして料理に使われるガスや灯油、移動する車に必要なガソリンなどの様々なエネルギーを使っています。社会のCO2排出総量の約15%とはいえ、家庭において、自家発電をすることや電力コストをカットすること(節電)などの努力は少なからずCO2の排出抑制に貢献するといってよいでしょう。“

人1人が1日に排出するCO2の量は約5kgと言われています。その中でも電力は次の図のようにおよそ半分を占めていることがわかります。これは、以前ガスや灯油でまかなわれていた室温管理や調理、お風呂を暖めるエネルギーが電力にとって変わられたことが大きく影響しています。

50年前と比べて大きく排出量が増えた理由の1つは経済の発展です。一昔前は灯油1ℓ150円でしたが、電気機器メーカーの開発努力によってより省エネ化したこと、原子力発電による電力料金の低下など、そして国民平均で生活水準が向上したことが影響しました。また、利便性の点においても、灯油を買ってきて、準備して、使ってと多くの手間がかかっていたのが、リモコンで瞬時に使えるようになったこともあるでしょう。